プランテーション農業の特徴とは?分布もモノカルチャー経済の問題点もわかりやすく解説!
どうも、ひろです。
今回は、プランテーション農業についてわかりやすく解説していきます。
プランテーション農業とはどういう農業なのでしょうか。
プランテーションは、大学受験などテストでもよく出題されるのでこの記事でしっかりマスターしてしまいましょう。
プランテーション農業の特徴
プランテーション農業は、熱帯・亜熱帯で多く見られる大農園での企業的な農業です。
モノカルチャー(単一耕作)という方法で世界市場に向けて商品作物を大規模に栽培しています。
プランテーション農業の特徴をより深く理解するためには、どのようにプランテーション農業が発達していったかを知ることが大切です。
プランテーション農業の歴史
15世紀半ばには大航海時代が始まり、ポルトガル、スペインをはじめとしたヨーロッパ人は今まで未開の地だった場所に進出していきます。
その際に、低緯度地域(熱帯地方)で新しく発見した作物を本国に持ち帰り、次第にヨーロッパでも日常的に消費されるようになってきます。
サトウキビや茶などの商品作物が代表的な作物です。
当時、生産量が少なかったサトウキビ、品質が安定していなかった茶などヨーロッパ人の需要を満たさなくなってきます。
しかし、もともと熱帯地方の作物なので、ヨーロッパでは作ることができません。
そこで、ヨーロッパ人は植民地で作ることを考えます。
つまり、プランテーション農業とはヨーロッパ人が必要とする商品作物の需要を満たすために始まったのです。
さらに、技術の発展とともにプランテーション農業で生産される作物の種類も増えていきます。
冷蔵技術が発達することで、バナナのような生鮮食品が加わりました。
また、機械の進化によって砂糖やゴムなどの作物を現地で加工できるようになります。
さらに、工業化が進むことで、天然ゴム、サイザル麻、コプラ、綿花などの植物が材料として必要になってきます。このような作物はもともと熱帯に住んでいた原住民はあまり生産をしていませんでした。
食べ物もカカオ、コーヒー豆、植物油など新しい使い道が発見されることでプランテーション農業の作物の仲間入りをします。
一見、プランテーション農業により商品作物を生産することで、熱帯地域の国々も豊かになるように思いますが、実はプランテーション農業には問題点があるのです。
プランテーション農業の問題点
ヨーロッパ人は植民地で大規模な農業を行うために、現地の人や移民を低賃金で大量雇用したり、奴隷労働力を使ったりして大規模に農場経営を行なってきたのです。
最近では、植民地支配から独立したことをきっかけに、プランテーションの多くは政府が管理するようになったり、現地の会社が経営に関わったりするように変化してきました。
植民地時代のようにヨーロッパ人にこき使われていた時と比べるとマシになったような印象を受けると思いますが、プランテーション農業には根本的な問題があります。
それは、単一の商品作物を生産するモノカルチャーという特徴です。
もともと、ヨーロッパ人が利益を追求するために、地域ごとに特定の作物に特化した農業が行われてきました。
単一の作物に特化しているとその作物の価格が変動したときに経済的なダメージを受けやすいというデメリットがあります。
また、プランテーション農業では基本的に商品作物を生産しており、それを外国に売ってお金を稼ぐのが基本です。
つまり、自分で食べるための食料は外国からの輸入に頼ってしまっているのです。
そうすると、せっかく商品作物を売って稼いだお金で自分たちの生活に必須な食料を輸入しなければならず、一向にお金がたまりません。
したがって、自国の工業化を進めるためのお金を作れず、いつまで経っても原料を外国に安く売るしかないという貧しい状況に陥ってしまっているわけです。
モノカルチャーの問題点はテストでも頻出なので、この2点のデメリットをしっかり押さえておきましょう。
プランテーション農業の分布
プランテーション農業の世界分布を見てみましょう。
プランテーション農業の特徴のところでも説明したように、基本的には低緯度の熱帯地方に多く分布していることが地図からもわかると思います。
さらに、ヨーロッパに向けて船を利用して輸出することから、沿岸部に立地しやすい傾向にあります。
また、ヨーロッパ人にとって低緯度地域でも比較的過ごしやすい高原に分布している場合もあります。
- 東南アジア(インドネシア、マレーシア、フィリピン)、インド
- アフリカ(ギニア湾沿岸、大陸東岸、マダガスカル)
- 中米、ブラジル(沿岸部)
主にこの3地域について押さえておきましょう。
いずれの地域も年間平均気温が20℃を超える地域にほぼ分布しています。
東南アジア〜インド
インドネシアでは、オランダの植民地時代にサトウキビが導入され、今でもジャワ島ではサトウキビのプランテーションが盛んに行われています。
マレーシアでは、イギリスの植民地時代に天然ゴム栽培が導入され、プランテーションが行われてきましたが、最近では合成ゴムの普及もあり油やしの生産に切り替える農家も多くなってきています。
フィリピンは、日本のスーパーでもよく見かけるバナナのプランテーションが盛んです。日本の多国籍企業も進出し、商品の管理などを行なっています。
ここであげた例以外にも、コーヒーや茶(特にスリランカやアッサム地方)のプランテーションが点在していることが地図からわかるのではないでしょうか。
特に、東南アジアのプランテーションでは天然ゴムや油やしといった工業を支える材料を生産しているのが特徴なので覚えておきましょう。
アフリカ
まず、アフリカの一番の特徴はギニア湾沿岸(ガーナ、コートジボワール)でのカカオのプランテーションですね。
さらに、エチオピアやケニアではコーヒー、茶のプランテーションというように比較的イメージがしやすいのではないでしょうか。
温暖な気候を生かして、バナナやサトウキビのプランテーションをしている地域も点在しています。
沿岸部と高原に分布しているのがよくわかると思います。
中米、ブラジル
ラテンアメリカ諸国は、スペイン人やポルトガル人が植民地支配を進めていった際に、各国で大土地所有制を導入し、ヨーロッパ人が広大な土地でプランテーション農業を始めていったという歴史があります。
コーヒー、サトウキビ、バナナといった熱帯の作物が盛んに生産されています。
ちなみに、大土地所有性によって作られた大農場の名称は各国で異なり、以下の表のような形で呼ばれています。
国名 | 大農場の名称 |
ブラジル | ファゼンダ |
アルゼンチン | エスタンシア |
その他の元スペイン植民地 | アシェンダ |
グアテマラ、キューバ(革命前) | フィンカ |
これらの呼び方は、共通テストでは知らなくても困らないので、共通テストしか受けないという人はふーんそうなんだと思っておくだけで大丈夫です。
プランテーション農業の作物
プランテーション農業の作物は、分布のところで出てきた作物を覚えておけば大丈夫です。
- 天然ゴム
- 油やし
- 綿花
- サトウキビ
- 茶
- コーヒー
- カカオ
- バナナ
どの作物も暖かい熱帯で栽培されることが多いです。
どこら辺の地域で栽培されているか、分布と一緒に覚えておきましょう。
プランテーション農業のまとめ
いかがだったでしょうか。
プランテーション農業は、どのように広まっていったかという歴史と一緒に頭に入れておけばスッキリわかりそうですよね。
というわけで、最後にプランテーション農業についてまとめておきます。
- モノカルチャーが問題になっている
- 旧宗主国の影響が残っている
分布:低緯度地域の沿岸部や高原
作物:商品作物
- 油やし
- 綿花
- サトウキビ
- 茶
- コーヒー
- カカオ
- バナナ
プランテーション農業は、分布も作物もテストで頻出なので、ここでしっかりマスターしてしまいましょう!
農業区分についてまとめた以下の記事も読んでみてください。