熱帯モンスーン気候(Am)とは!? 特徴を簡単に覚える方法!
今回は、気候区分の中ではややマイナーな熱帯モンスーン気候について解説していきます。
また新しいこと覚えなきゃいけないの、、
熱帯モンスーン気候とはなんぞや?
と思う人も多いと思います。
特徴・分布・植生・土壌・農業
覚えることは、たくさんありそうですね。
でも実は、あるポイントを抑えれば非常に簡単に攻略することができるのです。
それは、
ということです。
これだけ言われても、ピンとこないかもしれません。
でも、この記事を読めばきっと「何だ、こんな簡単なことだったのか〜」と思えるはずです。
熱帯モンスーン気候は、熱帯雨林気候とにている特徴も多いので、この記事を読んでいてちょっとわからないなと思ったら適宜熱帯雨林気候の記事を確認してみてください。
より、理解が深まると思います。
それでは、説明に入っていきましょう。
その前に熱帯雨林気候ってなんだっけという人は、次の記事でかなり詳しく解説しています。
熱帯モンスーン気候(Am)とは?
さっそく熱帯モンスーン気候のポイントについてお話ししていきたいですが、定義を知らないと話になりません。
ということでまずは、熱帯モンスーン気候とはどんな気候だったか、定義を確認してみましょう。
特徴なんていいから、早く分布の覚え方とか理屈を教えてくれよーって人はこちらから飛べます。
- 気温:最寒月平均気温18℃以上
- 降水量:最少雨月降水量60mm未満、年降水量は多い
という条件でしたね。
つまり、熱帯モンスーン気候とは簡単にいうと、
気候ということです。
弱い乾季とはどのくらいなのか気になる人は、次の記事内に書いていますので参考にしてください。
ですが、ぶっちゃけ厳密な判別式を覚える必要はありません。
重要なのは、最少雨月降水量が60mm未満というところです。あとは正直ノリでいけます(笑)
特徴を簡単に表すなら、AfとAwの中間気候と言えます。
- 植物景観(ジャングル)=Af
- 乾季がある=Aw
このように、しっかり雨は降るため植物景観は熱帯雨林気候(Af)と同じジャングルになっています。
でも、乾季が来るという点はサバナ気候(Aw)と同じです。
この熱帯モンスーン気候ですが、教科書などでは弱い乾季のある熱帯雨林気候と書かれていることも多く、熱帯雨林気候の一部と考えると理解しやすくなります。
熱帯モンスーン気候を攻略するには、まずはAfと特徴はほぼ同じと考えて、その後にAfと違うところを抑えていくようにしましょう。
というわけで、いよいよ熱帯雨林気候と違う点について詳しく解説していきますね。
熱帯モンスーン気候には雨季・乾季がある
熱帯モンスーン気候は、夏に季節風があたることによって雨季がきます。
そして、反対に冬には短い乾季(1〜3ヶ月)があります。
一年中雨が降っている熱帯雨林気候とはちょっと違いますね。
熱帯モンスーン気候の気温はどんな感じ?
雨の降り方は、熱帯雨林気候とちょっと違うことが分かったと思いますが、気温はどうなのでしょうか?
実は、気温も少しだけ違うのです。
熱帯雨林気候は、赤道直下に位置していましたね。
なので、一年中気温はほとんど変わらなかったと思いますが、熱帯モンスーン気候は熱帯雨林気候の外側に位置していることが多いので、気温の年較差は Am>Af となるのです。
熱帯モンスーン気候は、雨の降り方も気温も季節によって少し変化が見られるということですね。
ここまでで、熱帯モンスーン気候の特徴は終わりです。
熱帯モンスーン気候の分布を覚えるたった一つのコツ!
熱帯モンスーン気候の特徴もわかってきたところで、次はどのように分布しているのかを考えてみましょう。
割とまばらに広がっている熱帯モンスーン気候ですが、考える上でコツとなるのは一体何なのでしょうか?
正解は、季節風です。
熱帯モンスーン気候と言うくらいですから、季節風が重要なのはわかりますよね。
では、具体的にどのように季節風が関係してくるのか説明していきますね。
ちなみに、季節風が吹く要因などは次の記事で詳しく解説しているので読んでみてください。
アジアはまさにモンスーンの影響を受ける地域!
まずは、熱帯モンスーン気候を語る上で、最重要になってくるアジアの話をします。
先ほど、熱帯モンスーン気候は夏に季節風の影響を受けるため、雨季になると教えたと思います。
ということは、夏の季節風があたる地域を考えればいいですよね。
具体的な国をいうと、
- フィリピンの北部(ルソン島)
- ミャンマー、タイなどの沿岸部
- インドの南西海岸
といった地域になります。
基本的にアジアの熱帯では、夏の季節風は南西から吹いてきます。
この季節風がインド洋の暖かくて湿った空気を運んでくるため、雨季がやってくると言うわけです。
ちなみに受験テクニックですが、フィリピンのあたりで風向きが変わり、日本に吹いてくる季節風と南アジアに吹く季節風の向きは変わってくると言うことも覚えておきましょう。
これは、ユーラシア大陸の海岸線が曲がっているのが要因です。
まとめると、
と言うことになります。
とりあえず、ここまでくればAmがどんなところに分布するかという考え方の基礎はついたのではないでしょうか?
アフリカを覚えられれば差がつく!
最重要のアジアが終わったところで、次はアフリカです。
ここからちょっとスピードアップしていきますよ。ちゃんとついてきてください!
モンスーンに関しては、アジアが注目されがちなので、アフリカについてはあまり試験に出ませんが解説しておきます。
アジアのモンスーン地域とほぼ同じ緯度にあるため、基本的な原理は同じです。
アジアでいう寒い風が吹き出すヒマラヤ山脈の役割をしているのがアフリカではサハラ砂漠で、暖かいインド洋の変わりが大西洋というわけです。
風向きもアジアと同じなので、そこまで覚えることはないですね。
このように、夏の季節風が当たるモンロビア(リベリア共和国の首都)は、熱帯モンスーン気候になります。
アジアと共通して言えることは、
ということですね。
南米はAfのついでに覚えよう!
さあ、アフリカの次は南米です。
理屈を考えていくとちょっと楽しくなってきたんじゃないですか?
この図には、熱帯雨林気候と熱帯モンスーン気候の両方がのっています。
南米に関しては、『熱帯雨林気候 (Af)の特徴と国を解説!覚えることは実は2つだけ!? 』の記事の中でも詳しく解説したように、貿易風がアマゾン川下流の平地を素通りするため、平地では6月〜10月頃に雨が少なくなります。
そのため、赤道直下のくせにアマゾン川の下流は熱帯モンスーン気候になってしまうのです。
ということで、
と覚えておきましょう。
ここまで読んだできた皆さん、とりあえずこれで原則は一通り終わりです。お疲れ様でした。
ここからは、プラスアルファみたいなものですから、気楽にいきましょう!
残った場所は個別で覚えよう!
何事にも例外というものがありますね。
今回も残念ながら「何でお前が熱帯モンスーン気候やねん!」ってツッコミたくなるような例外があります。
原則的には、東南・南アジア、アフリカ、南米に熱帯モンスーン気候はありますが、そのほかにも存在するところがあるのです。
- アメリカの南東端、マイアミ
- オーストラリアの北東端、ケアンズ
- 中国の南端、ハイナン島
この3つをプラスアルファで覚えてしまえば完璧です。
この3地点に共通することは、そこそこ緯度が高くて海に囲まれていることですよね。
なぜこの3地点が熱帯モンスーン気候に分類されるかというと、緯度的にはサバナ気候になりそうだけど周りが海なため、乾季にそこまで乾燥しないというのが理由の一つと考えられています。
このように、この例外な3地点は理屈よりも語呂合わせを使ってサクっと覚えてしまいましょう!
これで分布に関する解説は終わりです。
熱帯モンスーン気候の植生と土壌は?
次は植生と土壌も覚えなきゃいけないんかい、、
実は植生と土壌についての基礎はすでに出来上がってるんだよ
熱帯モンスーン気候の植生と土壌に関してですが、熱帯雨林気候と変わらない部分も多いので、そこまで気合を入れる必要はありません。
植生で覚えなきゃいけないのは1つだけ!
熱帯モンスーン気候は、弱い乾季があるといっても基本は熱帯雨林気候と同じなので、もちろん熱帯雨林が生い茂っています。
熱帯雨林気候と唯一違うのは、乾季になると落葉する広葉樹からなる雨緑林と呼ばれる林があることです。
乾季になると、葉っぱを地面に落とすため、熱帯雨林に比べると鬱蒼としていなく下草も育つことができます。
熱帯モンスーン気候の植生で新しく覚えなければいけないことはこれだけです。
土壌はAfと同じ!
熱帯モンスーン気候の土壌に関しては、Afと全く同じと思っていただいて構いません。
Afの土壌はどんなんだったか覚えていますか?
ラトソルと呼ばれる土でしたよね。
- 色:赤色
- 栄養分:少なくやせている
- 性質:酸性
これだけ覚えていれば大丈夫です。
ラトソルについては次の記事内で詳しく解説しています。
どうでしたか? 植生と土壌に関しては新しく覚えることは、雨緑林のたった1つだけでしたね。
熱帯モンスーン気候の農業について
ここまでくれば、もう勝ったも同然です。
農業に関する知識もさくっとインプットしちゃいましょう。
農業には次の2種類がありましたよね。
- 時給的農業:昔ながらな自給自足的農業
- 企業的農業:近年行われるようになった儲けを追求する大規模な農業
というわけで、今回も2種類に分けて説明していきます。
時給的農業は温暖な気候を生かしている!
時給的農業はAfの特徴よりもAwの特徴に近いです。
アジアでは、稲作が盛んに行われています。
熱帯モンスーンの影響で夏にたくさんの水を手に入れることができるので、それを生かした稲作が行われています。
フィリピンのルソン島では、このような棚田を用いて稲作をしています。
日本でも稲作は盛んですが、熱帯モンスーン気候と日本には決定的な違いがあります。
それは、日本は冬はとても寒くなるけれど、Amの地域は一年を通して暖かいということです。
稲作というのは、暖かくて水さえあればできてしまいます。
そこで近年は、灌漑設備を発達させて冬にも稲作をできるようにしてしまおう!
ということで東南アジアなどでは二期作と言われる、年に2回コメを収穫する農業が行われています。
そして、もう一つ覚えておいて欲しいことは、稲作が盛んな地域には人が集まるということです。
これは、結構重要な法則で、東南アジアには人がかなり住んでいることも関連づけて覚えておきましょう。
それでは大事なことをまとめます。
これさえ覚えておけば、熱帯モンスーン気候の時給的農業は大丈夫ですね。
企業的農業は作物に注目!
熱帯雨林気候の時と同じで、やはりプランテーション農業も行われています。
ですが、栽培されている作物がAfとは少し変わってくるので、作物だけ覚えてしまいましょう。
- サトウキビ
- 茶
- ココヤシ
あたりを覚えておけばいいでしょう。
モンスターなサチコを想像して無理やり覚えちゃいましょう(笑)
熱帯モンスーン気候(Am)のまとめ
いかがだったでしょうか?
熱帯モンスーン気候というのはいわば、熱帯雨林気候のおまけみたいなものですよね。
最後に今回学んだ知識を、熱帯雨林気候との違いを通してまとめてみたいと思います。
分布:基本的にモンスーンの当たるところ
- フィリピン北部
- インドシナ半島海岸部(ミャンマー等)
- インド半島南西海岸
- 西アフリカの南西海岸
- ブラジル北東部のアマゾン川下流
- マイアミ、ケアンズ、ハイナン島
特徴
熱帯雨林気候(Af) | 熱帯モンスーン気候(Am) | |
気候 | 年中高温多雨 | 高温、弱い乾季あり |
植生 | 熱帯雨林、マングローブ | 雨緑林、熱帯雨林、マングローブ |
土壌 | ラトソル | ラトソル |
農業
熱帯雨林気候(Af) | 熱帯モンスーン気候(Am) | |
時給的農業 | 焼畑 | 稲作 |
企業的農業 | 油やし、バナナ、カカオ、天然ゴム | サトウキビ、茶、ココヤシ |
このように熱帯雨林気候との違いを意識すると簡単ですね。
今回の範囲は、熱帯雨林気候ほど受験によく出るというわけではありませんが、知っていると差がつく範囲ですので理解を深めていってください。
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Comment
亜熱帯高圧帯とモンスーン気候との関係を教えてください。
返信遅くなりすみません。
亜熱帯高圧帯は冬に低緯度側に移動してきます。
Amは基本的には赤道から少し高緯度側にずれた位置に分布しているので、冬は少し影響を受けて弱い乾季になるわけです。
ですが、夏はモンスーンの影響で降水量がかなり多くなるので、年間を通すと降水量は多めになります。
気候区分は降水量と気温で定義されており、Amは例外が多くなってしまいますが、基本的には
「冬は亜熱帯高圧帯が移動してきて弱い乾季、夏はモンスーンの影響で降水量が多くなる」
と考えるとよいと思います。
前回のご返信ありがとうございました。わかりやすくて、助かりました。今回もよろしくお願いします。南半球オーストラリア、ケアンズのモンスーン気候のメカニズムを教えて下さい。出来れば、「何月ごろ」を付け加えて頂ければ、より良く理解できると思うのですが、宜しくお願い致します。
ケアンズは南緯15度くらいなので、基本的にはサバナ気候と同じような仕組みです。
雨季は11月から5月、乾季は6月から10月です。
雨季はサイクロンがやってくる、乾季も海に近く湿度が比較的高いのでにわか雨が降る。
といったようにサバナ気候にしては、年間を通して雨が割と降る地域になっているので、気候区分の条件的には熱帯モンスーン気候になるという感じです。
熱帯は降水量で細分化しているだけなので、必ずしもモンスーンの影響がなくても条件的にAmになってしまうという例外が多く存在します。