三角州と三角江の違いはでき方に注目!?
どうも、ひろです。
今回は、河川の学習をすると出会う、三角州と三角江について詳しくみていきたいと思います。
どっちも名前が似ているし、何が違うんだろう、、
三角州と三角江の意味を確認!
三角州と三角江とは一体何なのでしょうか?
まずは意味から確認しましょう。
- 河川が運搬してきた土砂が河口付近に堆積してできた地形
- デルタともいう
- 河口付近の土地が沈降してラッパ状の入江となった地形
- エスチュアリーともいう
三角州と三角江の意味を確認してみると、どちらも河口付近の地形であるということがいえそうです。
そして、それぞれデルタ、エスチュアリーというカタカナの別名が存在するのですね。
ちなみに、テストの問題文では、漢字もカタカナもどちらも使われるので、どちらでも対応できるようにしておきましょう。
違うのは、二つの地形の形とでき方ということになりそうです。
でき方が理解できれば、形も自然と頭に入ってくるので、まずはでき方に注目してみていきましょう。
三角州と三角江はどうやってできた?
三角州も三角こうもどちらも同じ河口なのに、そのでき方は全く違うのです。
まずは、このでき方の違いをしっかりと理解して、区別できるようにしていきましょう。
三角州のでき方
最初に確認した通り、三角州というものは上流から川の流れによって運ばれてきた土砂が河口付近に堆積してできた地形です。
通常、川の上流は急なので、土砂をすごい勢いで運ぶことができます。
でも、川の河口に近づくにつれて傾斜も緩やかになるので、運ばれてきた土砂が今度は下に沈むようになります。
そうして上流から運ばれてきた土砂が河口付近に堆積して形成される地形が三角州というわけです。
川が土砂を堆積させてできた地形をまとめて沖積平野と言います。
沖積平野については次の記事で解説しているので、一緒に確認しておくといいでしょう。
三角江のでき方
三角州は、土砂が堆積してできた地形ということがわかりました。では、三角江はどのようにできるのでしょう。
実は、名前は三角州とそっくりですが、でき方は全く違うのです。
三角江は川の河口で、海面が上昇したり、河口付近の土地が沈降したりすることで、海岸線が深くえぐられるようにラッパ状になった地形です。
三角州と三角江の見分け方!
三角州と三角江は、でき方が根本的に違うため形も異なっています。
三角州は、河口付近にどんどん土砂が溜まってくるので水深は浅くなっています。
逆に、三角江は、元々の地形に水が入り込んでできるので、水深が深くなっています。
つまり、水深に注目すれば一発で見分けることができます。
しかし、地理の試験では水深が示されるということはあまりありません。
大抵は地図が与えられるだけです。
ということは、地図から三角州か三角江かを見分けることができるようになっておく必要がありそうです。
そうは言っても、何も難しいことはありません。
河口付近の深さの違いが理解できていれば、簡単です。
まずは、三角州です。
三角州は浅いのでしたよね。
ということは、河口の中には土砂が堆積した島があり、枝分かれしているということが予想できるでしょう。
これは、バングラデシュにあるガンジス川の河口です。
河口付近に、多くの島が存在していることが確認できますね。
続いて三角江です。
三角江は深いので、川の真ん中に島はあまりないはずですよね。
また、深くえぐれるようなラッパ状の形をしているということも特徴の一つです。
カナダのセントローレンス川は典型的な三角江になってますね。
このように、河口がえぐられるようにラッパ状になっていることを目印にしましょう。
三角州よりも三角江の方が珍しいので、三角江を重点的に覚えましょう。
- テムズ川
- セントローレンス川
- ラプラタ川
ここら辺の川はしっかり抑えておきましょう。
また、上の地図にはすべての三角江を載せてはいませんが、ヨーロッパには三角江が結構あることは覚えておくといいかもしれません。
三角州と三角江の利用法
さて、三角州と三角江の形やでき方の違いなどが頭に入ったところで、それぞれの地形がどのように利用されてきたかを確認していきましょう。
試験では、ただ三角州や三角江が見分けられるだけでなく、その土地で人間がどのような活動をしているかも問われます。
三角州の人間生活
三角州は土砂が堆積してできた地形なので、当然水捌けが悪い湿地のような状態です。
水捌けが悪い土地の利用法として真っ先に思いつくのは、水田ですね。
水田は、水を溜めておかなければいけないので水捌けが悪いのは逆にメリットになるのです。
近年では、水田の他に工業地帯や住宅地としても利用されるようになりました。
臨海部は、船によって材料を輸入したものを加工する工場などの立地に優れているためですね。
しかし、これには問題があります。
元々上流から流されてきた土砂が積もっただけの土地なので、標高が低く、地盤が弱いのです。
標高が低いので大雨の時の水害や、地盤がよわいので液状化現象が発生したりと、災害が発生しやすくなってしまうのです。
このようなデメリットも合わせて覚えておきましょう。
三角江の人間生活
三角江は水深が深く、幅が狭いので港に向いています。
水深が深いので船が河口まで進入しやすく、幅が狭いため波が静かだからですね。
なので、世界でも有名な港が発達していることがあるのです。
特殊な三角州
最後にちょっと特殊な三角州を紹介しておきます。
それはライン川です。
なぜライン川が特殊なのかというと、三角江と三角州が合わさったようなものだからです。
元々河口が沈水してラッパ状の三角江が形成されたのに、その上に土砂が堆積して今のような形になりました。
この理由はライン川の上流にあります。
ライン川の上流はアルプス山脈です。
アルプス山脈といえば、新期造山帯なので険しい山々が連なっています。
つまり、上流の険しい流れによって、たくさんの土砂が削り取られてしまい、その結果三角江を埋めてしまうという現象が起きるわけです。
ヨーロッパの川は三角江が発達している場合が多いですが、ライン川は三角江ができていないというのには、このような理由があったのです。
三角州と三角江のまとめ
今回は、三角州と三角江の違いから特徴までかなり詳しくみてきました。
理由を知ることができると、ちょっと面白くなってきますよね。
というわけで、最後に今回のポイントをまとめておきます。
三角州(デルタ)
- 上流から運ばれてきた土砂が堆積してできた
- 水深が浅い
- 河口付近に島があり、枝分かれしている
- 水捌けが悪く水田として利用されている
- 水害などの問題が発生する
三角江
- 元々の地形が沈降するか、水面が上昇してできた
- 水深が深い
- 河口付近はえぐられるようなラッパ状
- 波が穏やかで港が発達
三角州と三角江は、名前は似ていても特徴がかなり異なっていることが理解できたでしょうか。
実際に試験に出やすい河川は次の記事でまとめているので、川の河口の形状がどうなっているかも合わせて覚えてしまいましょう!
Comment
きれいに整理されていて、解りやすかったです。
ありがとうございました。
記載の
「三角江の人間生活 . . .
. . . 水深が深いので船が河口まで “侵入” しやすく . . .」にて、
船は他者の自由や権利を侵す必要はないので、”進入” なのでは?
コメントありがとうございます!
確かにおっしゃる通り、「進入」の方がふさわしいですね。
修正させていただきました。