混合農業の特徴をわかりやすく解説!知っておくべきメリットとは?
どうも、ひろです。
今回は混合農業についてまとめていきたいと思います。
混合農業は、なんか農作物の栽培もしたり、家畜の飼育もしたりと忙しそうな農業というイメージがありますね。
でも、混合農業を行っている地域があるということは、何かしらのメリットがあるはずです。
今回は、混合農業のメリットや歴史も含めて解説していきますが、メリットや歴史を知れば自ずと混合農業の特徴も掴めてきます。
というわけで、混合農業に関する知識を身につけていきましょう。
混合農業の特徴
混合農業とは、作物と家畜の飼育の両方を行っている商業的な農業です。
色々な作物を混合して生産しているので、混合農業というわけです。
- 夏作物
- 牧草
- 冬作物
- 根菜類
混合農業では、この4つを交代で育てていきます。
このように同じ耕地に、種類の異なる作物を一定の順番で栽培していくことを輪作と言います。
毎回育てる作物を変えていくのは、一見面倒くさそうに思えますが、輪作を行わなければいけない理由があります。
それは、地力の消耗を抑えるためです。
地力(ちりょく)とは、土地が持っている作物を育てる能力のこと。
簡単に説明すると、小麦が育つのに必要な栄養素、かぶが育つのに必要な栄養素というように、同じ作物が必要な栄養素は同じです。
なので、同じ土地でずっと同じ作物を育てていると、特定の栄養素だけどんどん植物に吸収されて、土壌から消えていってしまいます。
そうなると、その作物は育ちが悪くなり、収穫量が減ってしまい困るわけです。
それを防ぐために、別々の種類の作物を順番に育てることで、特定の栄養素が減らないように工夫しているわけです。
中世のヨーロッパでは、冬作物・夏作物・休閑(何も育てない)の3つをぐるぐる回す三圃式(さんぽ)農業というやり方で農業を行っていました。
しかし、近代以降、人口が増えてきた影響で、食料がもっと必要になってきました。
その上、アメリカやオーストラリアといった広大な土地をもつ新大陸で農業が盛んに行われるようになりました。大規模な資本を生かした企業的穀物・畑作農業です。
そうすると、広大な土地を生かした安価な穀物が大量に入ってくるようになります。
このままでは、安価な穀物に負けてしまう。
そう思ったヨーロッパの人々は、休閑をする期間をやめて、牧草や根菜類を育て始めるわけです。
クローバーなどの豆科の牧草は、空気中の窒素を取り込んで土の中に取り込んでくれる性質があります。
これによって、休閑しないでも、どんどん土壌の栄養分が蓄えられていくことになり、生産性は爆上がりしました。
さらに、牧草を生かして、牛や豚などの家畜も育てることができます。
こうして、新大陸の安価な穀物に対抗して、家畜の飼育に重点をおいた生産性の高い混合農業が完成したわけです。
- 作物と家畜飼育を混ぜ合わせた農業(特に家畜飼育に重点が置かれている)
- 生産性が高い
この2つが、混合農業の重要なポイントになるので、しっかり覚えておいてください。
混合農業の分布
混合農業のポイントも押さえられたところで、実際にどのように分布しているのか確認してみましょう。
まず絶対に覚えておくべき地域は2つあります。
- 中部ヨーロッパ(ドイツ、フランス など)
- アメリカ北東部
元々、混合農業はヨーロッパで発展してきたものなので、中部ヨーロッパに広く分布しています。
もう少し南の地中海沿岸は、地中海性気候(Cs)なので、夏に雨が少なく、大半の植物にとって不利な気候なので、多くの種類を育てる混合農業は行われていません。
反対に、北の方の地域は、寒冷なため痩せた土壌が広く分布しています。なので、植物を育てることよりも、家畜を飼育することにより特化した酪農が行われています。
そして、ヨーロッパから多くの移民が移動していった、アメリカの北東部でも、ヨーロッパと同じような混合農業が営まれています。
さらに、余裕があれば、残った地域も見ておきましょう。
- 湿潤パンパ周辺(アルゼンチン)
- ロシア南部
- アナトリア半島(トルコ)
- 南アフリカの一部
ここら辺の地域は、さらっと流しておいても問題はないですが、強いていうならパンパの周辺を押さえておいてください。
ラプラタ川流域の温帯草原パンパでは、肥沃な黒色土が広がっています。
特に湿潤パンパでは、肥沃な土壌に加えて、適度に雨の降る気候を生かして混合農業を行っているわけです。
混合農業の作物
混合農業で主に育てられる作物を紹介します。
食料作物
- 小麦
- ライ麦
- ジャガイモ
- テンサイ
飼料作物
- エン麦
- 大麦
- トウモロコシ
- カブ
- 牧草
家畜
- 肉牛
- 豚
このように、食料作物と飼料作物と家畜を混ぜて生産しています。
家畜に食べさせる飼料を一緒に作っていたり、家畜の排泄物と牧草は地力を回復させる役割をになっていたりと、それぞれが密接につながって生産性を上げているわけです。
比較的涼しい地域でも栽培することができる、麦類・ジャガイモ・テンサイが多く栽培されているというイメージで大丈夫です。
ドイツの食事を思い浮かべれば覚えやすいですね。
- 黒パン(ライ麦)
- ジャーマンポテト(ジャガイモ)
- ビール(大麦)
- ソーセージ(豚)
ここらへんの食事は全部、混合農業で生産される作物になります。
これに加えて、フランスでは小麦、アメリカではトウモロコシの大規模生産が行われているということを押さえておきましょう。
混合農業のまとめ
いかがだったでしょうか。
混合農業の特徴は、どのように混合農業が発展してきたかに注目すれば、理解できそうですね。
というわけで、最後に混合農業についてまとめておきます。
作物と家畜の飼育の両方を行っている商業的な農業
分布
- 中部ヨーロッパ(ドイツ、フランス など)
- アメリカ北東部
- パンパ周辺
作物
- 麦類(小麦、大麦、ライ麦 など)
- ジャガイモ
- トウモロコシ
- 肉牛
- 豚
など
混合農業はヨーロッパの主要な国やアメリカなどで行われているので、使える頻度は多いです。しっかり頭に入れていってくださいね!
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