高山気候(H)の特徴!雨温図や農業をわずか1ポイントで攻略!
どうも、理系地理マスターひろです。
今回は、高山気候についてまとめていきたいと思います。
でも、気をつけるポイントはたった1つだよ!
それは、標高が高いということです。
今回の記事では、標高が高いとどうなるのかも含めて、高山気候についてしっかり説明していきます。
高山気候とは?
高山気候とはなんなのでしょうか?
実は、高山気候は「ケッペンの気候区分」ではないのです。
ケッペンが定義した気候区分の分け方は、気温と降水量だけが基準でした。
でも、標高が高いところでは、気温が低くなってしまい赤道付近なのにツンドラ気候に分類されてしまうみたいなことがおきました。
それは流石におかしいんじゃないかということで、後から別の研究者によって付け加えられたのが高山気候というものなのです。
なので、高山気候と呼ばれる地域は、他の気候区と重複しているのです。
そんな曖昧な条件では、納得いかないという人のために大体の条件を載せておきます。
目安
- 熱帯:3000m以上
- 温帯:2000m以上
である程度の広がりを持つ
というのが高山気候の条件になります。
高山気候の H 「High(=高い)」の頭文字ですね。
ちなみに、標高が100m高くなると、気温は約0.65℃下がります。
この辺の事情は、次の記事で詳しく説明しています。
高山気候の特徴は、同じ緯度の他の地域に比べて気温が小さくなるというのはもちろんなのですが、気温の日較差が大きくなるというのがあります。
なぜ日較差が大きくなるのかというと、昼間は直射日光を受けて急激に気温が上がるけれど、夜は標高は高いところほど気温が低いという原則に従って急速に冷えるからです。
気温の日較差が大きいということは、住みにくいのかと思うかもしれませんが、それなりにメリットもあります。
アンデス山脈にある高山都市であるラパスは、赤道に近いので本来、常夏と呼ばれる一年中とても暑い気候になりますが、標高が高いため常春と呼ばれる温暖な気候になるのです。
常春とは、低緯度の山地で見られる、赤道地帯の特徴を持ちながら全体的に気温が下がった気候
つまり、気温の年較差が小さく、一年中温暖な気候が続くというわけです。
気温だけを考えると、一年中春みたいなものです。羨ましいですね(笑)
具体的な雨温図などは、後ほど確認していきます。
高山気候の分布は?
高山気候の特徴がわかったところで、分布を見てみましょう。
こうして見ると、高山気候はまさに標高の高い山脈のある地域と一致していることがわかると思います。
- アジア:ヒマラヤ山脈〜チベット高原
- 東南アジア:カリマンタン島、ニューギニア島
- アフリカ:エチオピア高原
- ヨーロッパ:アルプス山脈
- 北米:ロッキー山脈
- 南米:アンデス山脈
世界中の名だたる山脈、高原が高山気候になっています。
高山気候は、標高が高いというのが条件でしたので、地図帳を見れば一髪でわかると思います。なので、そんなに詳しく解説はしません。
高山気候の植生!
高山気候は土壌は別に気にすることはないのですが、植生は高山気候特有の特徴があるので紹介しておきます。
高山気候は、周囲の地域と比べて気温が低いので、同じ緯度の地域と比べても植生が変わってきます。
その中でも、アンデス山脈などでは狭い範囲で急激に標高が高くなるので、植生が垂直的に変化するという特徴があります。
これは、文章で説明するよりも図で見た方が理解しやすいと思うので、アンデス山脈の植生を表した次の図を見てください。
こんな感じで、標高が低い地域では熱帯雨林や温帯性の森林が広がっていますが、標高が高くなるにつれて温度も低くなるので、植物が減ってきます。
標高が6000mくらいになると一年中雪が降り積もっている万年雪も現れます。
標高によって、環境が変わってくるため、育てられる作物も変わってきます。図の中に表を合わせて入れておいたので、ついでに確認しておきましょう。
高山気候の人間生活
植生の次は、高山気候に暮らす人々の生活について見ていきましょう。
高山気候は、低緯度の割に涼しく過ごしやすそうですが、実は人間にとって不都合なこともあるのです。
例えば、標高が高いと酸素の量が少ないので、生活しにくいのです。高山病とか聞いたことありますよね。常時あのような状態なわけです。
つまり、みんななるべく低い場所で生活したいのです。
そこで、アンデス山脈の都市では、盆地の底が都市の中心部になって、郊外の標高が高いところには低所得者が住むスラムが形成されています。
これがラパスの様子ですが、盆地の中央部は高層ビルが立っていて、発展していることが分かりますね。
また、荷物を運んだり毛皮を手に入れるために動物を飼っていることが多いです。
- アンデス:リャマ、アルパカ
- ヒマラヤ:ヤク
このように地域ごとに飼っている動物が異なっています。
- リャマ
- アルパカ
- ヤク
リャマやアルパカなどから手に入れた毛皮で、防寒用のポンチョと呼ばれる衣服などを作ります。
高地ではわずかな距離でも標高が違えば、気温が大きく変わってくるので防寒着が必須アイテムなのですね。
この男性が羽織っているものがポンチョですね。
高山気候での代表的な農作物には、アンデスのじゃがいもやエチオピアのダージリンなどがあります。
合わせて覚えておきましょう。
高山気候の雨温図は?
最後に、高山気候の雨温図を見ておきましょう。
高山気候は、他の気候区分と違って明確な条件とかはないので、見分け方は紹介しませんが、代表的な都市は覚えておいてください。
場所と気候を合わせてみていきましょう。
- ラサ(中国、3650m)
ラサは中国のチベットにある都市です。
富士山の標高が3776mであることを考えると、それに匹敵するほどの高さなのでかなり高いことが分かりますね。
内陸部ということもあり、乾燥していて気温の年較差も比較的大きい方だというのが特徴ですね。
- ラパス(ボリビア、4058m)
ボリビアの首都ラパスはなんと標高が4058mです。
これは、気温は常春で過ごしやすいかと思いきや、意外と厳しい気候なのかもしれないですね。
観光客が高山病になってもいいように、空港やホテルなどには酸素ボンベが設置されているらしいです。
この気温が、一年を通して10℃前後というのがラパスの一番の特徴で、高山気候を説明するときはかなりの確率で出てきますので、しっかり覚えておきましょう!
今回出てきた、ラサとラパスは試験によく出るので、是非覚えるようにしてください。
高山気候のまとめ
今回は高山気候について解説してきました。
特に、アンデス山脈にあるラパスはかなり典型的な都市だったと思うのでしっかり復習しておきましょう。
というわけで、最後に高山気候で重要なポイントをまとめておきます。
条件
- 熱帯:3000m以上
- 温帯:2000m以上
である程度の広がりを持つ
分布
- アジア:ヒマラヤ山脈〜チベット高原
- 東南アジア:カリマンタン島、ニューギニア島
- アフリカ:エチオピア高原
- ヨーロッパ:アルプス山脈
- 北米:ロッキー山脈
- 南米:アンデス山脈
特徴
- 気温:日較差が大きい、赤道付近では常春
- 植生:垂直に変化
人間生活
- 農業:じゃがいも、紅茶
- 遊牧:リャマ・アルパカ(アンデス)、ヤク(ヒマラヤ)
特徴を地域ごとにまとめて覚えていきましょう。
関連する記事も読んでみてください。
◎ケッペンの気候区分について詳しく知りたい人
⇒⇒【まとめ】地理のケッペンの気候区分をたった4ステップで覚える方法
というわけで、高山気候の解説を終わります!
Comment
気候区分の地図を部誌に使わせていただきたいのですが宜しいでしょうか
大丈夫ですよ!
載せる際は、出典を書いていただけると嬉しいです!