オアシス農業をしている国や栽培されている作物とは?暗記するコツを公開!
どうも、ひろです。
今回は、オアシス農業についてまとめていきたいと思います。
オアシス農業は、アジアからアフリカにかけて点在していますが、実は覚えるためには河川と高い山脈に注目すれば良いのです。
なぜ、川と山に注目すれば良いのかは本文中でしっかり説明していくので、しっかり読んでいってください。
オアシス農業の特徴
まずは、オアシス農業の特徴について確認していきます。
オアシス農業とは、乾燥した砂漠などで、外来河川や地下水路から水を得て行う農業です。
オアシスというと、砂漠の中にポツンとできた泉のような物を想像するかもしれません。
しかし、砂漠の中で水を得るためには、地下から湧き上がってくる泉の他にも、外来河川や地下水路(雪解け水を引っ張ってくる)を利用する方法もあります。
実は、オアシスよりも、外来河川や地下水路から得られる水の方が多いのです。
砂漠の中ではなかなか水を手に入れることができる場所がないので、必然的にオアシスの周辺で集約的に農業が行われていることになります。
集約的とは、一定の面積に人手やお金が多くかかっている状態のこと。対義語は粗放的。
集約的か粗放的かというのは、農業を考える上で重要な指標の1つなので、詳しく知りたい方は、次の記事を参考にしてください。
外来河川や地下水路から水を引っ張ってくるということを聞いて、あることに気づくかもしれません。
そうです。灌漑農業も水を人工的に引っ張ってくる農業でしたね。
そもそも「灌漑」が「水路を作って水を引き、土地をうるおすこと」という意味なので、オアシス農業は灌漑農業の一部なのです。
日本にある水田も、用水路を作って水をためておく必要があるので、言ってしまえば灌漑農業に当てはまります。
でも、オアシス農業とは言わないですよね。
なぜなら、日本は雨が比較的よく降る温帯に存在するからです。
つまり、灌漑農業は水を人工的に引っ張ってくる農業のやり方で、その中でも乾燥地域で行われるのがオアシス農業というわけです。
このような言葉の定義は一度確認しておきましょう。
乾燥帯で行われているのがオアシス農業なので、外来河川や地下水路というワードが出てきたらオアシス農業だと思って大丈夫です。
灌漑農業の一部ということもあり、ホイットルセーの農業区分には元々オアシス農業という区分はありませんでした。
実は、オアシス農業は乾燥地帯で行われている園芸農業や集約的畑作農業の中にある形態というわけです。
ですが、高校地理ではオアシス農業という一つのくくりで学習することが多いです。
このようなちょっと特殊な背景があるので、地図上でオアシス農業が他の農業区分に置き換わっているということがあっても戸惑わないようにしましょう。
オアシス農業の分布
オアシス農業が乾燥帯にあるということがわかったところで、実際にオアシス農業がどのように分布しているのか確認してみましょう。
こうして見ると、世界の中ではわずかな地域しかオアシス農業を行っていないことがわかりますね。
ほとんどが砂漠気候にあることがわかると思います。
- 中央アジア
- 西アジア
- 北アフリカ
この3つがオアシス農業を行っている地域ですが、共通点はなんでしょうか。
地図を見ればもう正解がわかると思います。正解はこの2つです。
- 乾燥地帯
- 近くに外来河川や高い山がある
乾燥地帯であるということは当たり前ですが、2つ目の特徴がオアシス農業の肝です。
河川が近くにあるというのは納得しやすいと思います。
では、近くに高い山があるというのはどうでしょう。地図に出てくる3つの山脈はいずれも4000メートルを超えるかなり高い山脈です。
高い山の頂上付近では雪が降り積もるため、その雪解け水を地下水路で引っ張ってきて利用しているのです。
雪解け水は、普通の雨水と比べて徐々に溶けて地下に浸透していくため、比較的水量が安定していて使いやすいという理由があります。
水が枯渇したり、一気に流れてきて地下水路が壊れてしまう心配が少ないからです。
地図と関連づけて覚えておくと役に立ちます。
オアシス農業で使われる地下水路
先ほど確認したように、オアシス農業では、地下水路が重要な意味を持っています。
ここで、地下水路について、確認しておきましょう。
地下用水路は、山地にある地下水を井戸で掘り当て、砂漠に運ぶものです。
このように、地下に水路を設けることで、乾燥した砂漠でも水が蒸発しないで運ぶことができます。
緩やかな傾斜をつけることで、自然に水が流れるようにして、所々縦穴を掘ることでメンテナンスもしやすくしています。
この地下用水路ですが、地域によって呼び名が変わります。
地域 | 呼び名 |
イラン | カナート |
北アフリカ | フォガラ |
アフガニスタン | カレーズ |
中国内陸 | カンアルチン |
カナートとフォガラくらいは名前を覚えておくといいでしょう。
そうは言ってもこれを暗記するのは中々しんどいので、語呂合わせで覚えちゃいましょう。
汚いフォアグラはいらんかな。溢れるカレーか中華ある?
正直、意味はわかりませんが、汚いフォアグラを渡されて戸惑っている男の子でも想像して覚えましょうw
覚えるのが面倒くさい人は前半部分の2つだけでも良いです。(よく出るのはフォガラとカナートくらいなので)
ちなみに、地下水路がある場所は、
- 乾燥地域
- 近くに高い山脈がある
- イスラム教
という3つの特徴がすべて当てはまる地域になっています。
オアシス農業の作物
いくら地下水路で水を引いてきたと言っても、元々かなり乾燥している地域です。
なので、オアシス農業では、乾燥に強い作物が育てられています。
具体的には次の4つの作物を押さえておきましょう。
- ナツメヤシ
- 小麦
- 綿花
- ブドウ
ナツメヤシは、デーツという果実がなる植物です。乾燥に強く、主食になるので自給的な作物として盛んに栽培されています。
綿花は、収穫期に実が開いて綿が出てくるのですが、その時期に雨が降ってしまうと、綿が濡れてダメになってしまいます。
そういう意味では、乾燥した気候に適しているといえます。オアシス農業は自給的な農業ですが、綿花は換金用に作っているという側面も大きいです。
ブドウは、乾燥した気候を生かして干しブドウとして保存されることも多いです。
オアシス農業の問題点
オアシス農業には問題点もあります。
それは、塩害という問題点です。
元々乾燥地域では水分の蒸発が盛んで、土壌は塩類を多く含むアルカリ性で痩せています。
そこに、灌漑で水をまくことによって、地下深くにあった塩分が水に溶けて上昇してきてしまいます。
しかし、水はどんどん蒸発するので、結果的にさらに地表付近に塩分が集まってしまうことになります。
これこそが塩害です。基本的に植物は塩分濃度が高いと育つことができないため、砂漠化に拍車をかけてしまうのです。
さらに、アラル海の縮小という問題もあります。
アムダリア川・シルダリア川流域では、1960年ごろから灌漑による綿花の栽培が盛んになりました。
この影響で、水源であるアラル海がみるみるうちに縮小してしまったのです。
かつては世界で4番目に大きかったアラル海も、今ではなくなりかけてしまっています。
この影響で、アラル海では漁業ができなくなったり、干上がった湖の底から砂が強風によって周囲の地域に飛ばされたりといった問題点が多発しています。
オアシス農業のまとめ
いかがだったでしょうか?
オアシス農業は、外来河川や地下水路の位置と関連づけて押さえておくと良さそうでしたね。
というわけで、最後にオアシス農業についてまとめておきます。
- 乾燥地域で灌漑を利用して行う農業
- 塩害が問題に
分布:近くに外来河川や高い山がある
- 中央アジア
- 西アジア
- 北アフリカ
外来河川の名称
- カナート(イラン)
- フォガラ(北アフリカ)
作物
- ナツメヤシ
- 小麦
- 綿花
- ブドウ
オアシス農業は行われている地域も狭いので、ピンポイントで押さえるようにしていきましょう!
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