ツンドラ気候(ET)とは?植物や分布を簡単に覚える方法!
どうも、理系地理マスターひろです。
今回は、ツンド気候について解説していきます。
実は、ツンドラ気候の特徴を考えるときは、ある一つの単語に注目するだけでいいのです。
その単語とは、 「ツンドラ」です。
ツンドラって一体何なのでしょうか。それも含めて今回の記事では、ツンドラ気候について話していきたいと思います。
ツンドラ気候(ET)の特徴は?
ツンドラ気候とは、どのような気候なのでしょうか。
受験で使えるテクニックも重要ですが、まずは定義から確認していきましょう。
- 最暖月平均気温 0〜10℃
これがツンドラ気候の定義になります。最も暖かい月でも気温が10℃に満たないので、かなり寒い気候だということがわかりますね。
ツンドラ気候は、最寒月に関する条件がないので、極端な例をあげると一年中9℃でもツンドラ気候になります。
なので、赤道付近の標高が高い山ではツンドラ気候になる地域もあります。
基本的には極地方に分布しているため、極高圧帯の影響を受けて降水量は年間を通して少ないところが多いです。
極高圧帯とは、北極・南極付近に形成される、周囲より気圧が高くなっている地域のこと
気圧帯について、理解が足りてないなと思う方は、次の記事を読んでみてください。
また、ほとんどの地域が極地方にあるため、白夜や極夜が見られます。
白夜とは、真夜中になっても太陽が沈まない現象
極夜とは、一日中太陽が出てこない現象
ちなみに、ETの T は「Tundra(ツンドラ)」の T です。
ツンドラ気候はどこに分布している?
ツンドラ気候はどこに分布しているのでしょうか?
地図を見てみると、大部分は北半球の最北部(北緯70度以北)に分布していることがわかると思います。
その他の部分は、山脈など標高が高い地域となっています。
- インドの北部(中国)=ヒマラヤ山脈、チベット高原
- ロシアの極東の南部
- アラスカ南部
- 南米の西側=アンデス山脈
などの地域は、標高が高いため気温が下がって、ツンドラ気候になっているのです。
そこまで厳密に覚える必要はないですが、気になった人は地図帳と照らし合わせてみると面白いかもしれません。
アルゼンチンの南端にウスワイアという都市があるのですが、ここは年平均気温が6℃近くと寒帯ぽくないですが、最暖月が10度に満たないのでツンドラ気候になっています。
ツンドラ気候の植生と土壌は?
ツンドラ気候の分布を確認したところで、植生と土壌に入っていきましょう。
ツンドラ気候の植生!
まずは、植生ですね。寒帯という厳しい気候ですが、植物は生えているのでしょうか?
ツンドラ気候は、基本的に一年の半分以上は雪に覆われています。
では、植物は生えないのではないかと思う人もいるかもしれません。
確かに樹木は生えませんが、短い夏が来ると永久凍土の表面が溶けて湿地状態になります。
そうすると、その湿地にツンドラと呼ばれる植物帯が広がるようになります。
ツンドラとは、上の写真のようなコケ(蘚苔類)、シダ(地衣類)などが生えた植物帯のことです。
ツンドラ気候の土壌!
植生はツンドラと呼ばれるコケやシダが夏になると生えてくるということでしたが、土壌はどうなっているのでしょうか?
土壌は、表面にツンドラ土と呼ばれる土が分布しています。もちろん下層は永久凍土です。
では、ツンドラ土とはどのような土なのでしょうか。
ツンドラ気候はとても寒いので、コケ類などが分解されずに堆積されてしまいます。
そのため有機物が未分解のままの強い酸性の土壌が出来上がってしまうのです。
ツンドラ気候の人間生活は?
ツンドラ気候は、同じ寒帯の氷雪気候に比べると気温が高いため、ギリギリ人間が生活することができます。
ですが、寒すぎるためほとんど農業をすることができません。
なので、トナカイの遊牧やアザラシの狩猟、漁業などをして過ごしています。
代表的な民族として、イヌイット(北米)・ネネツ(北ロシア)・サーミ(スカンディナビア)などがいます。
イヌイットくらいは頭に入れておくといいと思います。他は覚える必要はありません。
ツンドラ気候のまとめ!
どうだったでしょうか?
ツンドラ気候は、その名の通りツンドラに気をつけておけば問題はなさそうですね。
というわけで、最後にツンドラ気候の重要なところをまとめておきます。
分布
- 北半球の北緯70度以北の大部分
- 標高が高い地域(チベット高原、アンデス山脈など)
特徴
- 気候:最暖月でも10℃に満たない、雨はあまり降らない
- 植生:ツンドラ
- 土壌:ツンドラ土、下層は永久凍土
人間生活:イヌイットなど
- トナカイの遊牧、アザラシの狩猟、漁業
赤文字で書いたところが特に重要なので、重点的に覚えましょう!
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というわけで、ツンドラ気候の解説を終わります!