【民族問題】クルド人問題とは? 地理で扱われやすいクルド難民!
どうも、ひろです。
今回は、クルド人の問題について簡単に解説していきたいと思います。
クルド難民という言葉を聞いたことがある人も多いでしょう。
クルド人の問題は、民族問題の典型的なパターンでもあるのでテストで扱われることもあります。
もしテストで出てきても慌てないように、この記事を読んで概要をつかんでおきましょう!
クルド人の住んでいる地域
クルド人は、クルディスタンと呼ばれる西アジアの山岳地帯で暮らしています。
国でいうとイラン、イラク、トルコ、シリアの国境付近にあたります。
元々中世から近世にかけて、オスマン帝国内を移動しながら遊牧をしている民族でした。なので、結構広い範囲に分布しています。
しかし、このように複数の国にまたがって住んでいることが問題に結びついてきます。
まだ、ピンときてないかもしれませんが、各国におけるクルド人の割合を見てみましょう。
このように、4カ国にわたってクルド人が分布しているのがわかると思いますが、いずれの国でも1位になることができていせん。
なので、クルド人は独自の国家を持つことができていないのです。
また、この狭い範囲にトルコ人からアラブ人、ペルシャ人と多くの人種が住んでいることから、何かしら問題が起きそうだと予想できると思います。
実際、クルド人は4000万人くらい存在すると言われ、中東地域ではアラブ人・ペルシャ人・トルコ人についで4番目に人口が多い民族であるのに、先ほどあげたトルコやイランなどでは少数派になってしまうわけです。
クルド人の歴史
次に、クルド人の歴史についてまとめていきます。
クルド人は中世から近世にかけてオスマン帝国の中で暮らしていました。
しかし、第一次世界大戦によってオスマン帝国が敗れると、フランスやイギリスやロシアによって複数の国に分割されてしまいます。
1946年には、ソ連の後押しによって、クルディスタン共和国ができましたが、最終的には独立することができませんでした。
その結果、クルド人は複数の国家にまたがってしまい、それぞれの国では少数民族として扱われてしまうようになります。
各国の政府はクルド人に対して、同化政策をとり、クルド人が独立しないようにしました。
同化政策とは、国家が少数民族に対して、生活様式や文化などを同化させようとする政策のこと。
20世紀の後半になると、トルコやイラクなど多くのクルド人が住んでいる国で、分離独立しようとする動きが加速し、長い間政府と武力闘争を繰り広げられています。
最近では、クルド人の居住域周辺で過激派組織ISIL(イスラム国)が勢力を拡大していて、さらに緊張感が高まっているというのが現状です。
このように、クルド人はかなりの人口を誇っているにもかかわらず、独立することができないというのがクルド人問題の大まかな流れになります。
元々は、一つの民族としてまとまりがあったにもかかわらず、民族と関係なく国境を定められたせいで、分断されてしまったというなんとも可哀想な歴史が生み出した悲劇というわけですね。
クルド人問題のまとめ
どうだったでしょうか。
あまり意識してこなかったクルド人の問題も、原因がわかればスッキリと理解することができるのではないでしょうか。
というわけで、最後にクルド人についてまとめておきます。
クルド人は、西アジアの山岳地帯で暮らしている。
独自の国家を持たない世界最大の民族
原因:民族の分布に関係なく国境を引いてしまったから。
このまとめをしっかり頭に入れて、クルド人は完璧にしてしまいましょう。