【大地形まとめ】造山帯と安定陸塊のたった1つの違いとは?
どうも、ひろです。
今回は、大地形のまとめということで、新期造山帯・古期造山帯・安定陸塊の3つを区別するたった1つの違いを解説していきます。
また、大学受験で使う大地形の知識は全て網羅しているので、隅々までチェックしてみてくださいね。
大地形を3つに分類!
大地形とは、地殻変動によってできた地球表面の大規模な地形のことなのですが、その大地形は3つに分類することができます。
では、一体どんな条件によって分類されるのでしょうか?
正解は、、造山運動を受けた地質時代によって分類されるのです。
この図がすべてです。。
地質時代を大きく4つに分けると、大昔から順番に先カンブリア時代→古生代→中生代→新生代となります。
この中で、先カンブリア時代に造山運動を受けて地面が盛り上がり、その後はずっと安定している大地を安定陸塊と呼びます。
古生代に造山運動の影響を受けて隆起し、その後は安定しているところを古期造山帯と呼びます。
そして、中生代から造山運動が始まり、今でもずっと造山運動をしているところを新期造山帯と呼ぶのです。
安定陸塊・古期造山帯・新期造山帯は、造山運動の影響を受けた地質年代の違いによって分けられているということが分かったのではないでしょうか。
安定陸塊・造山帯の特徴は?
どのように安定陸塊と造山帯が区別されているのかが分かったところで、それぞれの特徴を確認しておきましょう。
安定陸塊の特徴
まずは、安定陸塊です。
先ほど確認したように、安定陸塊は先カンブリア時代に造山帯運動を受けたものでした。
そして、その後は隆起することなく、ずっと侵食され続けて今に至ります。
ということは、はじめは山々が連なっていたはずですが、とても長い時間をかけて起伏のほとんどない平原や高原になっているはずです。
つまり、安定陸塊は基本的に標高差のあまりないゆるやかな地形ということができます。
また、現在は地面は活発に動いていないので、地震や火山はほとんどありません。
ただし、一つだけ例外があって、アフリカ大地溝帯には火山があります。
これは、プレートの境目があるのですが、広がる境界のため、造山運動には関係がないからです。
そして、安定陸塊はさらに形とでき方の2パターンで分類されます。
形で分類
- 卓状地(テーブルのような形)
- 楯状地(盾を伏せたような形)
でき方で分類
- 構造平野(地層が水平な平原)
ケスタ・メサ・ビュートが見られる - 準平原(長期間の侵食によってできたゆるやかな平原)
モナドノックが見られる
安定陸塊は出てくる用語も多いので、別記事でより詳しく解説しています。
◎卓状地・楯状地について
◎構造平野・準平原について
◎ケスタ・メサ・ビュート・モナドノックについて
簡単に頭の中に入れておくためには次の図を覚えておけば大丈夫です!
この用語の関係を意識しておきましょう。
古期造山帯の特徴
続いて古期造山帯の特徴を見ていきます。
古期造山帯は古生代に造山運動を受けたものでした。
ということは、安定陸塊よりは後に造山運動を受けているため、安定陸塊よりも山が連なっているということが理解できると思います。
しかし、中生代以降、2億年以上造山運動をしていないので、徐々に侵食されていった結果、低くてなだらかな山地になっていることが多いです。
ただ、これにも例外があり、テンシャン山脈・アルタイ山脈は古期造山帯なのに、再び隆起して急峻な地層になっています。
これは、約5000年前頃に、今のインドがあるあたりがユーラシア大陸にぶつかってきて、その勢いで押し上げられたという理由があります。
プレートの移動については、次の記事で詳しく解説しています。
地層は古期造山帯なのに、標高がとても高くなっているという珍しい例なので、抑えておくと良いかもしれません。
また、古期造山帯も安定陸塊と同じで、現在は造山運動は起きていないので、地震や火山は少なくなっています。
新期造山帯の特徴
最後は新期造山帯です。
新期造山帯と言えば、私たちが住んでいる日本が一番に思い浮かぶはずです。
新期造山帯は、中生代以降に造山運動が始まり、現在まで造山運動が続いている地域です。
世界にある新期造山帯について、大まかに分けると、アルプス=ヒマラヤ造山帯と環太平洋造山帯の2つに分けることができます。
高くて険しい褶曲山脈や、弧状列島が分布していて、世界の名だたる山々が新期造山帯に属しています。
現在でも造山運動が活発に行われている地域もあり、地震や火山活動は頻繁に起きるというのが大きな特徴です。
古期造山帯と新期造山帯に属する山脈のうち、大学受験で覚えておくべき山脈を以下の記事にまとめたので、ぜひ参考にして見てください。
安定陸塊・造山帯の鉱山資源
安定陸塊や造山帯の分布を覚えることのメリットとして、盛んに採れる鉱山資源に特徴があるというのがあります。
つまり、その地域の大地を知っているだけで、鉱山資源の予想もできてしまうのです。
安定陸塊の鉱山資源
まずは、安定陸塊です。
安定陸塊は、先カンブリア時代に隆起したので、それまでは海底にあった可能性も高くなります。
その頃に堆積した海底の酸化鉄に由来する鉄鉱石がよく採れることが多いです。
古期造山帯の鉱山資源
古期造山帯は、古生代に隆起したのでしたね。
古生代の後半にあった大森林と地殻運動に由来する石炭の産出が多いこともあります。
ただ、石炭は例外も多く、一つの目安として考えておいた方がいいです。
新期造山帯の鉱山資源
新期造山帯は今でも活動している地域でしたね。
なので、高温のマグマによって、銅・銀・スズ・亜鉛などの非鉄金属を多く含む鉱床ができあがります。
また、褶曲を受けた地層の中に油田が作られて、石油の生産が盛んになる傾向があります。
安定陸塊と造山帯の分布
ここまで、特徴を細かく見てきました。
というわけで、今まで学んできた特徴と、実際の地域を結びつけるために世界中の分布を確認しておきましょう。
覚え方は、『【地理の基礎】世界の山脈を覚える方法!』『卓状地と楯状地の違いや分布をわかりやすく解説!!』で詳しく解説しています。
まずは、アルプス=ヒマラヤ山脈・環太平洋造山帯の新期造山帯2つを覚えてしまいましょう。
古期造山帯は、最初に覚えた新期造山帯以外の山脈と考えてしまえば楽に覚えられます。
残った安定陸塊ですが、基本的には中心が準平原で、周辺部が構造平野というイメージを持っておけばいいと思います。
安定陸塊・造山帯のまとめ
今回は、大地形で大事な安定陸塊と造山帯の特徴や分布をまとめてみました。
地理の勉強の基本中の基本なのでしっかり覚えるようにしましょう。
というわけで、最後に今回のポイントをまとめておきます。
安定陸塊
- 先カンブリア時代に造山運動を受けた
- 卓状地と楯状地(形による分類)
- 構造平野と準平原(でき方による分類)
- 鉄鉱石が多い
古期造山帯
- 古生代に造山運動を受けた
- 低くてなだらかな山地
- 石炭が多い
新期造山帯
- 中生代から現在も造山運動を受けている
- 高く険しい山脈
- 非鉄金属、石油が多い
何度も見返して、頭に刻み込んでいってくださいね!
◎卓状地・楯状地について
◎構造平野・準平原について
◎ケスタ・メサ・ビュート・モナドノックについて
⇒⇒ケスタ、メサ、ビュート、モナドノックとは? 違いを簡単に解説!!
◎古期/新期造山帯について