【プレートテクトニクス】大陸移動説からプレートの境界まですべてまとめて覚えよう!
どうも、ひろです。
今回は、プレートテクトニクスについて解説していきたいと思います。
プレートテクトニクスという用語を聞いたことがある人は多いと思いますが、しっかりと内容を理解できていますか?
定期テストとかでは、プレートテクトニクスを答える問題もよく出されますが、一体どんなものなのかをしっかり理解しておくことも大事です。
というわけで、今回は地球上のプレートというものがどのようになっているかをまとめて攻略していきましょう。
大陸移動説
プレートテクトニクスとは、地球上でプレートが動いていることを使った理論なのですが、そもそもなぜプレートが動いていると気づくことができたのでしょうか。
その始まりには、「大陸移動説」というものがあります。まずは、大陸移動説について説明していきます。
ドイツ人のウェゲナーは、大西洋の両側にある南アメリカ大陸とアフリカ大陸の海岸線の形が似ていることから、昔はつながっていたのではないかと考えました。
このことから、昔は地球上には一つの巨大な大陸パンゲアが存在していて、それが数億年もの月日を経て現在のように分裂・移動していったのではないかという説を唱えました。
これこそが大陸移動説です。
このように、パンゲアと呼ばれる1つの大陸が、ローラシア大陸とゴンドワナ大陸に分裂し、その後移動が進んで現在のような世界が出来上がったと考えられています。
- ローラシア大陸→ユーラシア大陸、北アメリカ大陸
- ゴンドワナ大陸→南アメリカ大陸、アフリカ大陸、アラビア半島、インド半島、オーストラリア大陸、南極大陸
と分かれていったわけです。
ウェゲナーが大陸移動説を提唱した当初は、本当に大陸が移動するという証拠もなく、ほとんど信じられていませんでした。
プレートテクトニクス
ウェゲナーが大陸移動説を唱えてからしばらくして、技術も発達し、海底の調査などが進められていきます。
調査が進んでいくうちに、地球にはプレートと呼ばれるいくつかの板が存在し、それが動いていくことによって大陸も動くのではないかという風に考えられるようになっていきます。
プレートとは、地球表面を覆っているかたい岩石でできた板状のもの。厚さは100km程度。
このようにして、大陸移動説を科学的に裏付ける考えが確立されていくわけです。
このプレートの動きを用いて地表が動いていくのではないかという考えのことをプレートテクトニクスと言います。
では、なぜプレートは動くのでしょうか?
これは、地球の地下深く、内部構造に答えがあります。
このように地球の内部は、大きく分けると核、マントル、地殻に分けることができます。
地球の中心に近づくほど温度が上がっていきます。
マントルよりも核の方が熱いので、マントルの内側はどんどん温められます。
つまり、マントルは内部からの熱の影響を受けて、対流するわけです。
そうすると、地表付近のマントルも動くことになるので、それに合わせてプレートが動くことになります。
このような仕組みでプレートは年間数センチから数十センチ程度動いています。
プレートが動くせいで、地殻変動や火山活動など様々な影響が生じます。
プレートの分布
プレートの移動は、私たちの身近なところにも影響を与えるので、テストでも問われることが多いです。
まずは、世界中にプレートがどのように分布しているのか、プレートの境目がどこにあるのかを確認していきます。
このように地球上には14〜15のプレートが存在していると考えられています。
なぜ14〜15と曖昧になっているかというと、まだ研究途中で境界が確定していない部分など意見が分かれているからです。
しかし、大学受験地理の範囲に限ると、プレートの数も具体的なプレートの名前もそこまで重要ではありません。
重要なのは、プレート同士の境目なのです。
なぜかと言うとプレートの境目は地震や火山といった自然現象が起きやすいからです。
と言うわけで、次はプレートの境目について考えていきます。
プレートの境目
地図を見ると、プレートの境目には3種類あることがわかると思います。
この3種類の境目の違いはめちゃくちゃ重要です。
なので、ここから先の話だけはしっかり身につけるようにしてください。
広がる境界
プレート同士が互いに離れ合う向きに動く境界です。
先ほどの地図を見返すとわかるように、広がる境界は主に太平洋・大西洋・インド洋と言った海底にあることが多いです。
海底で、プレート同士が離れ合うとどうなるでしょうか。
遠ざかることで、隙間が開きますよね。その裂け目から、高温のマントルが上昇してきます。
上がってきたマントルは海水によって冷やされ、海の底に海嶺と呼ばれる海底山脈が作られます。
また、次の地域には広がる境界があることを覚えておくといいでしょう。
- アイスランド:海嶺の一部が海の上に突き出てできた島。火山活動が活発で地熱発電が盛ん。
- 紅海、アフリカ大地溝帯:広がる境界のできはじめだと言われている。
アフリカ大地溝帯は、地図上ではプレートの境目にはなっていませんが、このままいくといずれ分裂すると言われています。
ヴィクトリア湖やタンガニーカ湖などは、地面がさけた影響でできた湖だと言われています。
この他、湖のでき方は次の記事を参考にしてみてください。
狭まる境界
続いて狭まる境界です。
狭まる境界は、プレート同士が近づき合うように動くので、地震が発生しやすいです。
海洋プレートが他のプレートの下に潜り込むように動くパターンと大陸プレート同士がぶつかり合うパターンがあります。
海洋プレートが他のプレートの下に潜り込む
海洋プレートが他のプレートの下に潜り込む境界では、海底が急に深くなって海溝が出来上がります。日本海溝や世界一深いマリアナ海溝が代表例ですね。
また、日本列島のように大陸プレートのへりに弧状列島(島孤)ができたり、火山列ができたりします。
ここで、一つポイントなのは海洋プレートと大陸プレートが近づき合うときは、必ず海洋プレートが下に沈み込むということです。
考えてみれば、陸地よりも海の方が下にあるので当然なのですが、過去にこの事実を使わないと解けないような問題がセンター試験で出題されたことがあります。
大陸プレート同士がぶつかり合うパターン
狭まる境界が陸地の上にある場合もあります。
例えば、アルプス山脈やヒマラヤ山脈です。
これらの山脈は、地層が徐々に押し上げられて褶曲が起こり出来上がった褶曲山脈です。
ヒマラヤ山脈の北側にはチベット高原があるのですが、チベット高原はインドがユーラシア大陸にぶつかってきた衝撃で持ち上げられた高原なのです。
ちなみに、チベット高原は平均標高4500メートルほどと高いのに、地層は古期造山帯と珍しいのですが、古い地層が衝撃によって持ち上がったという理由を知っていれば一発で頭に入ると思います。
古期造山帯に関しては次の記事で解説しているので、わからない人は参考にしてください。
ずれる境界
ずれる境界は、2つのプレートが互いにすれ違うように動く境界で、トランスフォーム断層という別名もあります。
主に海底にあることが多いのですが、アメリカの太平洋岸にはサンアンドレアス断層と呼ばれる有名なずれる境界があります。
プレートが横にずれる境界も地震が多発します。
プレートテクトニクスのまとめ
いかがだったでしょうか?
今回は地球の基礎とも言えるプレートに関するお話をしてきました。
特にプレートの境目についての問題はテストでも頻出なので、しっかり復習をしておくといいでしょう。
というわけで最後にプレートに関する知識をまとめておきます。
大陸移動説
- ウェゲナー が提唱
- 1つだった大陸が分裂して今の姿に
プレートテクトニクス
- プレートの動きによって大陸が動いているという考え方
- マグマの対流によってプレートが移動
プレートの境目
- 広がる境界
アイスランド、紅海、アフリカ大地溝帯
- 狭まる境界
日本海溝、マリアナ海溝、ヒマラヤ山脈
- ずれる境界
サンアンドレアス断層