集約的(アジア式)畑作農業をマスターするために必要な3つの地域とは?
どうも、ひろです。
今回は、集約的畑作農業について解説していきます。
集約的畑作農業は、実は覚えることはそんなにありません。たった3つの地域を覚えるだけで入試を突破することができます。
集約的畑作農業の特徴
集約的畑作農業は、年間降水量が500mm〜1000mm程度の比較的降水量が少ないアジアの地域で行われている、労働集約的な畑作です。
アジアだけで行われている農業形態なので、アジア式畑作農業とも呼ばれます。
集約的とは、一定の面積に人手やお金が多くかかっている状態のこと。対義語は粗放的。
集約的か粗放的かというのは、農業を考える上で重要な指標の1つなので、詳しく知りたい方は、次の記事を参考にしてください。
近年では灌漑設備が普及してきたので、土地生産性は向上してきていますが、元々乾燥していて農業にはあまり向かない地域でもあるので、基本的には土地生産性は低い農業形態になります。
また、干ばつの被害も受けやすく、収穫量が不安定という問題も抱えています。
集約的畑作農業よりもさらに乾燥が厳しい砂漠やステップでは、外来河川や地下水路を利用して集約的に農業を行うオアシス農業が営まれています。
高校地理ではそんなに気にする必要はありませんが、ホイットルセーの農業区分では、オアシス農業は集約的畑作農業や園芸農業に分類されています。
なので、もし地図でオアシス農業と混ざって出題されてもびっくりしないでください。
集約的畑作農業の分布
集約的畑作農業は、アジア式畑作農業というくらいなので、主にアジアに分布してます。
- 中国北部
- デカン高原(インド)
- パンジャブ地方(インド〜パキスタン)
- 北海道の北部
- インドシナ半島内陸
この中でよくテストで出てくるのは、最初の3つです。インドシナ半島内陸はそんなに気にしなくて良いと思います。
年間降水量と集約的畑作農業の関係性を確認しておきましょう。
アジアの人々は、主食が米であることが多いので、稲作ができるのであれば、稲作をしたいのです。
ですが、稲作は水田に水を張らなければいけないので、年降水量が1000mmを超えないとできません。
年降水量が1000mmを超えるアジアの地域では、基本的に集約的稲作農業が行われることになります。
年降水量が1000mmを超えない地域では、稲作をするのが難しいので、畑作をすることになります。
というわけで、年降水量が500〜1000mm程度の地域と集約的畑作農業の地域が概ね一致することになるのです。
ちなみに年降水量が500mmに満たない地域は、植物を栽培することが困難になってくるので、遊牧やオアシス農業をするようになります。
集約的畑作農業の作物
集約的畑作農業は、米を育てることができない乾燥した地域で行われるわけなので、乾燥に強い作物が作られます。
乾燥に強い植物といえば、綿花や穀物です。
先ほど地図で確認した通り、集約的畑作農業は、行っている地域がかなり限定的なので、地域と作物を一対一対応で覚えてしまいましょう。
中国北部
- 冬小麦
- トウモロコシ
- 大豆
- こうりゃん
中国では、華北から東北にかけて集約的畑作農業を行っっています。
この辺りは、内陸のゴビ砂漠やタクラマカン砂漠から飛んでくる砂漠由来の黄土が降り積もった黄土高原というものが存在します。
たまにニュースにもなる黄砂の正体ですね。
日本人からすると、黄砂は悪者な気がしてしまいますが、岩石が風化してできた土なので、ミネラルが豊富で保水性が優れているという特徴があります。
この特徴を生かして こうりゃん などの栽培が行われているのです。
こうりゃんは、日本語ではモロコシと呼ばれることもあるイネ科の作物で、食用や飼料用に用いられています。
デカン高原
- 綿花
インドの中央にあるデカン高原では、綿花の栽培を最優先で押さえましょう。
デカン高原には、レグールという肥沃な間帯土壌が分布していて、綿花の栽培に生かされているという知識はとても大事です。
パンジャブ地方
パンジャブ地方は、インドの北西部からパキスタンにまたがる地域です。
- 小麦
- 綿花
この地域は、年間降水量が500mmにならない乾燥地域ですが、付近をインダス川が流れているため畑作ができます。
灌漑設備を用いて、小麦や綿花を育てているわけです。
集約的畑作農業として覚えておけば良いのは、小麦と綿花の2つですが、パキスタンはインダス川の水を使って稲作を行い、米の輸出を行っているという側面もあります。
北海道の北部
北海道は、イメージとしては米をたくさん作っているという感覚があると思います。
しかし、降水量を考えると、集約的稲作農業に分類されます。
雨が少なくても育てることができるように、米の品種改良を頑張ってきた成果ともいうことができるでしょう。
ちょっとだけ意識しておいてください。
集約的畑作農業のまとめ
いかがだったでしょうか。
集約的畑作農業は、降水量に着目すれば余裕ですね。
というわけで最後に集約的畑作農業についてまとめておきます。
- 別名:アジア式畑作農業
- 集約的で自給的な側面が大きい
分布:年降水量500mm〜1000mmのアジア
- 中国北部
- デカン高原(インド)
- パンジャブ地方(インド〜パキスタン)
- 北海道の北部
- インドシナ半島内陸
作物
- 冬小麦
- トウモロコシ
- 大豆
- こうりゃん
- 綿花
集約的稲作農業と対比しながら覚えていってしまいましょう!